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私道の掘削承諾は売却に必要?

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コラム2026年10月19日 更新

私道の掘削承諾は売却に必要?

「私道に面した家を売りたいけれど、掘削承諾がないと売れないのだろうか」とお悩みではありませんか。

札幌では古くからの住宅街を中心に、私道に接する物件が数多く存在します。掘削承諾の有無は売却価格や成約スピードに直結する重要な要素です。

この記事では、掘削承諾の基本から札幌特有の事情、取得手続き、費用、そして承諾が取れない場合の対処法まで、売主が知っておくべき情報をまとめました。

私道の掘削承諾とは何か

掘削承諾とは、私道の地下に埋設されている水道管やガス管の工事のために、道路を掘る許可を私道所有者から得ることです。

掘削承諾書の定義と法的な位置づけ

掘削承諾書とは、私道の所有者が「この道路を掘削して工事を行うことを認めます」と書面で同意した文書です。法律で書式が決まっているわけではありませんが、不動産取引の実務上ほぼ必須とされています。

承諾書には一般的に以下の項目が記載されます。

  • 承諾の対象範囲:掘削を許可する私道の所在地・地番
  • 工事の目的:上下水道の引き込み、ガス管の敷設・交換など
  • 原状回復の条件:工事後の舗装復旧方法と費用負担者
  • 承諾の有効期間:期限の定めの有無、将来の買主への承継
  • 署名・押印:私道所有者全員の実印と印鑑証明書

金融機関や買主側の仲介会社は、この承諾書の有無を必ず確認します。書面がなければ「将来の工事ができない物件」と判断される可能性があります。

通行承諾との違い

「通行承諾」は私道を人や車が通ることへの許可であり、地面を掘る許可とは別物です。通行承諾だけでは水道管やガス管の工事はできません。

売却時には通行承諾と掘削承諾の両方がそろっていることが理想的です。片方だけでは買主の不安を解消できず、成約に至らないケースが多く見られます。

掘削承諾がないと売却できない理由

掘削承諾がない物件は、買主にとって大きなリスクを抱えた物件と見なされます。その影響は住宅ローンの審査から日常生活のインフラまで広範囲に及びます。

買主の住宅ローン審査への影響

多くの金融機関は、私道に面した物件の融資審査で掘削承諾書の提出を求めます。承諾書がなければ融資額の減額や審査否決につながるケースが少なくありません。

札幌市内の金融機関では、私道持分の有無と掘削承諾書の2点をセットで確認するのが一般的です。持分があっても他の共有者の承諾がなければ減点対象となり、融資額が物件価格の70〜80%に制限された事例もあります。

買主がローンを組めなければ、現金購入できる買主に限定されるため、売却価格が相場より10〜20%下がることも珍しくありません。

売却の方法と費用の詳細も事前に把握しておくと、資金計画が立てやすくなります。

水道・ガス工事ができないリスク

掘削承諾がないと、老朽化した水道管の交換や新規のガス引き込みができません。札幌では築30年以上の住宅で水道管の交換が必要になる物件が増えており、これは買主にとって深刻な問題です。

工事ができない物件は、将来的なメンテナンス不能という致命的な欠陥を抱えることになります。重要事項説明書にもその旨を記載する必要があり、購入をためらう買主が大半です。

掘削承諾を取得する手続きの流れ

掘削承諾の取得は、正しい手順を踏めば難しいものではありません。以下の流れに沿って進めることで、スムーズに承諾書を入手できます。

私道所有者の調査から承諾書取得までの手順

  • 法務局で登記事項証明書を取得:私道部分の地番を特定し、所有者の氏名・住所を確認します。取得費用は1通あたり600円です
  • 公図・地積測量図の確認:私道の範囲と接道状況を正確に把握します。公図は1通450円で取得できます
  • 所有者への連絡・訪問:書面で承諾依頼の趣旨を説明し、面談の日程を調整します
  • 承諾書の作成と署名依頼:工事の目的・範囲・原状回復条件を明記した書面を準備し、実印での署名と印鑑証明書の添付を依頼します
  • 承諾書の受領と保管:原本を受け取り、売却時の重要書類として保管します

一連の手続きには2週間〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。所有者の対応速度や人数によって大きく変動します。

所有者が複数いる場合の対応方法

札幌の古い住宅街では、1本の私道を5〜10名の共有者で所有しているケースが珍しくありません。全員の承諾を得る必要があるため、時間と手間がかかります。

共有者が遠方に転居している場合は、郵送でのやり取りが中心になります。相続が発生して名義変更がされていないケースでは、相続人の特定から始める必要があり、さらに1〜3ヶ月の追加期間を見込む必要があります。

不動産会社に仲介を依頼すれば、所有者への連絡や書類準備を代行してもらえるため、お客様の負担を大幅に軽減できます。

札幌で掘削承諾が問題になりやすいケース

札幌は寒冷地ならではの事情から、道内でも特に掘削承諾の問題が表面化しやすい地域です。物件の売却を検討する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

寒冷地特有の水道管凍結対策と掘削の関係

札幌の冬は最低気温がマイナス10度以下になる日も多く、水道管の凍結対策は住宅維持の最重要課題です。凍結防止帯の交換や水道管の地中深くへの埋設替えには、私道の掘削が不可避となります。

北海道では水道管の埋設深度を地表から1.2m以上とするよう求められています。本州の0.6m前後と比べて約2倍の深さが必要なため、工事の規模も大きくなり、掘削承諾の重要性がより高まります。

築25年を超える札幌市内の住宅では、水道管の劣化が進んでいる物件が多く、買主は購入後に水道管更新工事を行うことを前提に検討します。そのため、掘削承諾がない物件は敬遠される傾向が顕著です。

古い住宅街に多い未整備私道の実情

札幌の市街地エリアには、昭和40〜50年代に開発された住宅地が広がっています。当時は私道の権利関係が曖昧なまま分譲されたケースも多く、掘削承諾書が存在しない物件が相当数あります。

地下鉄沿線やJR沿線の利便性が高いエリアでも、一歩入った住宅街には未舗装のまま放置された私道が散見されます。こうした私道は所有者の高齢化や転居により、承諾を得る相手の特定自体が困難になっているケースもあります。

札幌の不動産市場全体では、2026年現在も中古戸建ての取引が活発ですが、私道問題を抱える物件は売却期間が平均より2〜4ヶ月長引く傾向があります。早めの対策が成約への近道です。

戸建て売却の詳細はこちらのページもあわせてご覧ください。

掘削承諾の取得費用と期間の目安

掘削承諾の取得にかかる費用は、自分で手続きするか専門家に依頼するかで大きく変わります。事前に相場を知っておくことで、予算計画を立てやすくなります。

承諾書作成にかかる費用の内訳

  • 登記事項証明書の取得:1通600円×所有者人数分(5名なら3,000円程度)
  • 公図・地積測量図:1通450円
  • 承諾書の作成:自分で作成すれば無料。行政書士に依頼する場合は3万〜5万円が目安
  • 司法書士への依頼:相続が絡む所有者調査を含む場合は5万〜10万円程度
  • 不動産会社の仲介手数料に含まれる場合:別途費用なし(交渉を代行してくれる会社もあります)

合計すると、一般的なケースで数千円〜5万円程度、相続調査が必要な複雑なケースで10万〜15万円程度が費用の目安です。

取得までの一般的な期間

所有者が1〜2名で近隣在住の場合は2〜3週間で完了するケースが多いです。所有者が5名以上の場合は1〜2ヶ月、相続未了で相続人調査が必要な場合は3ヶ月以上かかることもあります。

札幌では冬季(12月〜3月)に現地確認や訪問が難しくなるため、雪が降る前の9〜11月までに手続きを開始するのがおすすめです。

掘削承諾が取れないときの対処法

最善を尽くしても承諾が得られないケースは存在します。その場合でも売却を諦める必要はありません。

所有者が承諾を拒否した場合の交渉術

まず拒否の理由を丁寧に聞き取ることが大切です。よくある拒否理由と対処法は以下のとおりです。

  • 「工事で道路が傷む」:原状回復費用を売主側で全額負担する条件を書面で提示する
  • 「過去にトラブルがあった」:第三者(不動産会社や弁護士)を介して冷静に交渉する
  • 「面倒だから関わりたくない」:手続きの簡便さを説明し、署名だけで済む書面を準備する
  • 「承諾料を求められた」:相場は数万円〜30万円程度。妥当な範囲なら支払いを検討する

交渉が難航する場合は、弁護士を通じた調停や、裁判所への「承諾に代わる許可」の申立てという手段もあります。ただし、これらは費用と時間がかかるため、最終手段と考えるのが現実的です。

承諾なしでも売却を進める方法

掘削承諾が取得困難な場合、以下の方法で売却を進められる可能性があります。

  • 不動産買取業者への売却:買取業者は掘削承諾の問題を織り込んだうえで価格を提示してくれます。仲介に比べて価格は相場の60〜80%程度になりますが、確実に売却できるメリットがあります
  • 価格を調整して売り出す:掘削承諾未取得のリスク分を価格に反映させ、相場より10〜15%低い価格で売り出すことで買主を見つけやすくなります
  • 私道持分の買い取り交渉:掘削承諾の代わりに、私道の持分を購入して自ら所有者になるという方法もあります

当社では掘削承諾に問題を抱えた物件の売却相談も多数お受けしています。ワケあり物件の売却についてもご参考ください。

掘削承諾つきの不動産をスムーズに売却するコツ

事前の準備を整えておくことで、売却活動を有利に進められます。以下のポイントを押さえておきましょう。

売却前に準備すべき書類一覧

  • 掘削承諾書の原本:有効期限や承継条項を確認しておく
  • 通行承諾書:掘削承諾とセットで用意すると買主の安心感が増す
  • 私道部分の登記事項証明書:所有者と持分割合を明確にする
  • 公図・測量図:私道の位置と幅員を示す資料
  • 水道管・ガス管の埋設図:市の水道局やガス会社で取得可能(無料〜数百円)
  • 過去の工事記録:水道管交換や舗装工事の履歴があれば添付する

これらの書類が揃っている物件は、買主の信頼を得やすく、成約までの期間が平均30〜40%短縮されるというデータもあります。

不動産会社選びのポイント

私道付き物件の売却は、通常の売却よりも専門知識が求められます。会社選びでは以下の点を重視してください。

  • 私道問題の取引実績:過去に掘削承諾関連の取引を扱った経験がある会社を選ぶ
  • 札幌の地域事情に精通:道内の不動産市場や北海道特有の法規制を熟知していること
  • 承諾取得の交渉代行:所有者との交渉を任せられる会社なら売主の負担が軽くなる
  • 買取にも対応可能:仲介で売れなかった場合の受け皿として買取対応できる会社が安心

当社は札幌を拠点に、私道付き物件を含むさまざまな不動産の売却・買取に対応しております。まずはお気軽にお問い合わせください。

よくある質問

Q: 私道の掘削承諾の取得にはどのくらいの期間がかかりますか?

A: 所有者が少数で近隣在住の場合は2週間〜1ヶ月程度が目安です。共有者が5名以上いる場合や遠方在住の所有者がいる場合は、1〜2ヶ月ほどかかります。

相続が発生して名義変更がされていないケースでは、相続人の調査に時間がかかり3ヶ月以上を要することもあります。売却を決めたら早めに着手するのが得策です。

Q: 掘削承諾書の取得にかかる費用の相場はいくらですか?

A: 自分で手続きする場合は登記関連の書類取得費用で数千円程度です。行政書士に承諾書の作成を依頼する場合は3万〜5万円が相場となります。

相続調査を伴う複雑なケースでは、司法書士への依頼費用を含めて10万〜15万円程度かかることもあります。不動産会社が仲介の一環として代行してくれる場合は、別途費用がかからないこともあります。

Q: 掘削承諾が取れない場合でも不動産は売却できますか?

A: 売却は可能です。不動産買取業者への売却であれば、掘削承諾の問題があっても相場の60〜80%程度で買い取ってもらえるケースが多いです。

また、掘削承諾未取得のリスクを価格に反映させ、相場より10〜15%低い価格で売り出す方法もあります。いずれの場合も、問題点を正直に開示したうえで取引を進めることが大切です。

Q: 札幌で私道付き物件を売却する際に特に注意すべき点は?

A: 札幌は寒冷地のため、水道管の凍結防止帯の交換や埋設管の更新工事が高頻度で発生します。買主はこうした将来の掘削工事の可否を重視するため、承諾書の有無が売却成否を左右します。

また、冬季は積雪で現地確認や所有者訪問が困難になります。遅くとも11月までには手続きを開始し、春の売却シーズンに間に合わせるスケジュールがおすすめです。

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