売却途中でもやめることはできる?手順と注意点
不動産の売却活動を始めたものの、「やっぱりやめたい」と感じる方は少なくありません。家庭の事情や市場環境の変化など、理由はさまざまです。
結論から言えば、売却は途中でやめることができます。ただし、タイミングによっては費用が発生するケースもあるため、正しい知識を持って判断することが大切です。
この記事では、売却を途中で中止できる条件や手続きの流れ、かかる費用の目安、さらに札幌ならではの判断ポイントまで詳しく解説します。
不動産売却は途中でやめることができるのか
売却活動を途中でやめられるかどうかは、現在の契約段階によって大きく異なります。まずは段階別に整理しましょう。
売主からの中止は原則自由
不動産会社と媒介契約を結んでいる段階であれば、売主の意思でいつでも売却をやめることができます。媒介契約はあくまで「買主を探す活動を依頼する契約」であり、売主に売却を強制するものではありません。
一般媒介契約の場合は、特に違約金なく中止できるのが通常です。専任媒介・専属専任媒介の場合も、契約期間は最長3ヶ月と定められており、期間満了時にやめる旨を伝えれば問題ありません。
途中解約であっても、正当な理由があれば違約金は発生しないケースがほとんどです。ただし、不動産会社が既に負担した広告費の実費を請求される可能性はゼロではないため、事前に確認しておきましょう。
買主が見つかった後は条件が変わる
売買契約を締結した後に売却をやめる場合は、状況が大きく変わります。この段階では、買主にも権利が発生しているためです。
売買契約後の中止には、主に以下の2つの方法があります。
- 手付解除:買主から受け取った手付金の倍額を返還して契約を解除する方法。相手方が契約の履行に着手する前に限られる
- 違約解除:履行着手後の解除で、売買価格の10〜20%程度の違約金が発生するのが一般的
つまり、売却をやめるなら媒介契約中の早い段階が最もリスクが低いといえます。売却についての費用や方法を詳しく知りたい方は、エリア別の相場情報も参考にしてください。
売却をやめるタイミング別の手続きと流れ
実際に売却を中止する場合、どのような手続きが必要なのでしょうか。タイミング別に具体的な流れをご紹介します。
媒介契約中にやめる場合の手順
媒介契約の段階で売却をやめる場合、手続きは比較的シンプルです。以下の流れで進めます。
- 不動産会社の担当者に売却中止の意思を伝える(電話またはメールで可)
- 媒介契約の解約書面に署名・捺印する
- ポータルサイト等に掲載中の物件情報の取り下げを確認する
- 鍵を預けている場合は返却を受ける
- 広告費等の実費精算があれば対応する(多くの場合は不要)
一般媒介契約であれば、口頭で伝えるだけで済むケースも多いです。専任媒介・専属専任媒介の場合は、書面での手続きを求められることがあります。
所要期間の目安としては、申し出から1〜2週間程度で手続きが完了するのが一般的です。
売買契約締結後にやめる場合の手順
売買契約後の中止はより慎重な対応が必要です。以下の手順で進めることになります。
- 不動産会社に売却中止の意思と理由を伝える
- 手付解除が可能な期間かどうかを確認する(一般的に契約から1〜2週間以内)
- 手付解除の場合は手付金の倍額を買主に返還する
- 違約解除の場合は違約金の金額を契約書で確認し、支払いに応じる
- 契約解除の合意書を取り交わす
- 登記手続きが進んでいる場合は抹消登記等の対応を行う
手付解除の期限を過ぎると違約金が高額になるため、やめる判断は早めに下すことが重要です。
売却中止にかかる費用と違約金の相場
売却を途中でやめる場合、最も気になるのは費用面でしょう。段階別に具体的な金額目安をまとめます。
仲介手数料・広告費の請求リスク
媒介契約中に売却をやめた場合、仲介手数料は原則として発生しません。仲介手数料は成約時に支払うものだからです。
ただし、以下のケースでは実費を請求される可能性があります。
- 売主の特別な依頼で通常以上の広告を出した場合(新聞広告・チラシ配布など):実費で5万〜30万円程度
- 専任媒介契約の期間途中で正当な理由なく解約した場合:それまでの広告費実費
- 不動産会社が遠方での調査等を行った場合:交通費等の実費
札幌エリアの場合、一般的な売却活動(ポータルサイト掲載・レインズ登録)の範囲であれば、広告費を別途請求されるケースは少ない傾向にあります。
手付金倍返し・違約金の目安
売買契約後にやめる場合の費用は、以下が目安です。
- 手付解除の場合:手付金の倍額を返還。札幌の中古マンション(売買価格2,000万円)であれば、手付金は売買価格の5〜10%が相場なので、100万〜200万円の手付金+同額の上乗せ=200万〜400万円の負担
- 違約解除の場合:売買価格の10〜20%が違約金の相場。2,000万円の物件なら200万〜400万円
- 仲介手数料:売買契約成立後の解除では、仲介手数料(2,000万円の物件で約72万6,000円+消費税)を請求される可能性がある
このように、売買契約後の中止は数百万円単位の出費になりえます。費用面のリスクを考えると、やめる決断は売買契約の前に下すのが賢明です。札幌エリアの相場を事前に確認したい方は、マンション名別の相場情報もご活用ください。
札幌で売却をやめる判断に影響する地域事情
札幌で不動産売却を検討している方には、道内ならではの市場特性を踏まえた判断が求められます。
冬場の売却活動停滞と再開タイミング
札幌を含む北海道では、12月〜3月の積雪期に不動産の動きが鈍くなる傾向があります。内覧希望者が減少し、物件の外観も雪で確認しづらくなるためです。
国土交通省の統計によると、道内の不動産取引件数は1月〜2月に年間最低水準となり、ピーク月(3月〜4月)と比べて約30〜40%減少します。
このため、冬に入って内覧が減ったからといって焦って値下げする必要はありません。「冬場はいったん売却をやめて、春に再開する」という判断も札幌では合理的な選択肢です。
札幌の地価動向から見る中止判断の考え方
2026年の札幌市の公示地価は、住宅地で前年比約3〜5%の上昇が続いています。地下鉄沿線やJR沿線の利便性の高いエリアでは特に堅調です。
地価が上昇傾向にある場合、売却を一時中止しても資産価値が目減りしにくいというメリットがあります。逆に、市街地エリアから離れた郊外では横ばいまたは微減の地域もあるため、エリアごとの動向確認が大切です。
北海道全体では、札幌市への人口集中が続いており、札幌市内の住宅需要は2026年時点でも安定しています。売却を途中でやめても、再開時に買い手が見つかりやすい環境といえるでしょう。
売却をやめてよくある失敗と後悔しない対処法
売却の途中で中止を決断する際、いくつかの典型的な失敗パターンがあります。事前に知っておくことで後悔を防げます。
感情的な判断で機会を逃すケース
売却をやめる理由として多いのが、以下のような感情的な判断です。
- 「思い出のある家を手放したくない」と途中で気持ちが変わる
- 査定額より低い価格提示を受けてやめてしまう
- 内覧対応のストレスに耐えられなくなる
- 周囲の反対意見に流される
特に注意が必要なのは、市場が好調な時期に感情的にやめてしまい、後から地価が下がって後悔するパターンです。札幌では過去5年間で住宅地の平均地価が約15〜20%上昇しましたが、今後も同じペースで上がり続ける保証はありません。
やめる判断をする前に、冷静に数字を見て判断することをおすすめします。
不動産会社との関係悪化を防ぐコツ
売却を途中で中止すると、不動産会社との関係が悪化することがあります。これを防ぐために、以下の点を意識しましょう。
- 早めに意思を伝える:やめると決めたら先延ばしにせず、速やかに連絡する
- 中止の理由を正直に説明する:「価格が合わない」「家庭の事情」など具体的に伝える
- これまでの活動への感謝を伝える:広告掲載や内覧対応への労をねぎらう
- 将来的な再依頼の可能性を示す:「時期を改めて相談するかもしれません」と伝えておく
良好な関係を維持しておけば、再び売却したくなった際にスムーズに再開できます。
売却中止後に再び売りたくなった場合の選択肢
一度やめた後に、やはり売却したいと考える方も多くいらっしゃいます。再売却に向けた選択肢と準備について解説します。
仲介での再売却と買取の比較
再び売りに出す場合、主に2つの方法があります。
- 仲介での再売却:市場価格に近い金額で売れる可能性が高い。ただし、売却期間は札幌の場合平均3〜6ヶ月かかることが多い
- 不動産買取:不動産会社が直接買い取るため、最短1〜2週間で現金化できる。ただし、価格は市場相場の70〜80%程度が目安
急いで売りたい方や、内覧対応の負担を避けたい方には買取が向いています。一方、時間に余裕があり少しでも高く売りたい方には仲介がおすすめです。
再売却までに準備しておくこと
売却を一度中止してから再開する場合、以下の準備をしておくとスムーズです。
- 再査定を受ける:中止から6ヶ月以上経過している場合は、地価変動を反映した最新の査定が必要
- 前回の売却活動を振り返る:内覧件数・問い合わせ件数・価格交渉の経緯を整理しておく
- 物件の状態を維持・改善する:札幌では冬季の凍結による設備故障に注意し、定期的な換気と通水を行う
- 必要書類を最新の状態にする:登記簿謄本や固定資産税納税通知書などを更新しておく
特に札幌では、積雪期に空き家状態が続くと水道管の凍結破裂などのリスクがあります。中止後も物件管理は怠らないようにしましょう。再売却や買取のご相談は、お問い合わせページからお気軽にどうぞ。
よくある質問
Q: 売却途中でやめた場合、仲介手数料は発生しますか?
A: 売買契約が成立する前であれば、仲介手数料は原則として発生しません。仲介手数料は成功報酬のため、成約に至らなければ請求されないのが基本です。
ただし、売主の特別な依頼で通常以上の広告費がかかった場合は、実費として5万〜30万円程度を請求される可能性があります。媒介契約書の記載内容を事前に確認しておくと安心です。
Q: 売買契約後にやめるといくら違約金がかかりますか?
A: 売買契約後の中止では、手付解除と違約解除で金額が異なります。手付解除の場合は受領した手付金の倍額(売買価格の10〜20%相当)を返還します。
違約解除の場合は、一般的に売買価格の10〜20%が違約金の相場です。2,000万円の物件であれば200万〜400万円の負担となるため、できる限り売買契約前の段階で中止を決断することが重要です。
Q: 売却をやめた後、再度売りに出すことはできますか?
A: はい、一度中止した後でも再び売却することは可能です。ただし、同じ物件がポータルサイトに再掲載されると「売れ残り」の印象を与える場合があるため、3ヶ月〜半年程度期間を空けるのが一般的です。
再売却時には最新の市場動向を反映した再査定を受けることをおすすめします。地価や周辺の成約事例が変化している可能性があるためです。
Q: 札幌では売却をやめるベストなタイミングはありますか?
A: 札幌では11月頃までに中止を判断するのが合理的です。12月以降は積雪で内覧数が大幅に減少し、売却活動の効率が下がるためです。
冬場に中止して春(3月〜4月)に再開する戦略は、道内では一般的な手法です。雪解け後は内覧希望者が増加し、転勤・入学シーズンと重なるため成約率も高まります。
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- 買取もできます仲介で売れなかったときの受け皿を自社で持っているので、「売れませんでした」で終わりにしません。
