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成年後見人の不動産売却の流れ

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コラム2026年10月21日 更新

成年後見人の不動産売却の流れ

「認知症の親が所有する不動産を売却したいが、どう進めればいいかわからない」というご相談が増えています。

成年後見人による不動産売却は、通常の売却とは異なり家庭裁判所の関与が必要です。特に札幌では冬期間の売却活動に独自の注意点もあります。

この記事では、成年後見人が不動産を売却する流れを7つのステップで具体的に解説します。費用の内訳やよくある失敗例もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

成年後見人による不動産売却が必要になるケース

認知症や重度の障がいにより判断能力が低下した方の不動産は、本人が売買契約を結ぶことができません。このような場合に成年後見制度を活用して売却を進めます。

認知症の親の不動産を売却したいとき

親が認知症と診断され、施設入所の費用を捻出するために自宅を売却したいケースが最も多い相談です。2026年現在、北海道内の65歳以上の高齢者のうち認知症の方は約15%と推計されています。

判断能力が不十分な方が行った売買契約は法的に無効となる可能性があります。そのため、家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立て、後見人が代理で売却手続きを行う必要があります。

成年後見制度の種類と売却権限の違い

成年後見制度には大きく分けて「法定後見」と「任意後見」の2種類があります。それぞれ不動産売却における権限が異なりますので、正しく理解しておくことが大切です。

  • 法定後見(後見類型):後見人が本人に代わって売買契約を締結できる。居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必要
  • 法定後見(保佐類型):不動産の売却には保佐人の同意が必要。本人が契約当事者となる
  • 法定後見(補助類型):審判で定められた範囲内で補助人が同意権を持つ
  • 任意後見:本人が判断能力のあるうちに契約で代理権を定める。契約書に不動産売却の代理権が含まれているか確認が必要

多くの場合、認知症が進行した段階でのご相談となるため、法定後見の「後見類型」を利用されるケースが全体の約80%を占めています。

成年後見人が不動産を売却する手続きの全体像

後見人の選任から売却完了までの流れを7つのステップで整理します。全体のスケジュール感を把握しておくことで、計画的に進められます。

後見人選任から売却完了までの7ステップ

  • ステップ1:家庭裁判所への後見開始の申立て:必要書類を揃えて札幌家庭裁判所に申立てを行います
  • ステップ2:家庭裁判所による審理・鑑定:本人の判断能力について医師の鑑定が行われます
  • ステップ3:後見人の選任:裁判所が後見人を選任し、審判が確定します
  • ステップ4:不動産の査定・売却準備:不動産会社に査定を依頼し、売却方針を決定します
  • ステップ5:家庭裁判所への居住用不動産処分許可の申立て:居住用不動産の場合に必要な手続きです
  • ステップ6:売買契約の締結・決済:買主との契約を結び、引き渡しを行います
  • ステップ7:家庭裁判所への報告:売却完了後、裁判所に売却結果を報告します

各ステップにかかる期間の目安

後見人選任の申立てから審判確定まで、一般的に3〜6ヶ月程度かかります。札幌家庭裁判所の場合、申立て件数の増加により平均約4ヶ月を要するケースが多くなっています。

その後の不動産売却活動に2〜4ヶ月、居住用不動産の処分許可に1〜2ヶ月が加わります。全体として6〜12ヶ月が一つの目安です。

札幌では冬期間(12月〜3月)に売却活動が停滞しやすいため、スケジュールに余裕を持って進めることをおすすめします。不動産売却の費用や方法について詳しくはエリア相場一覧もご参照ください。

家庭裁判所の許可が必要な「居住用不動産」の売却

成年後見人が不動産を売却する際、その物件が「居住用」か「非居住用」かで手続きが大きく変わります。この違いを正確に理解しておくことが重要です。

居住用と非居住用で手続きが異なる理由

民法859条の3により、成年後見人が本人の居住用不動産を処分する場合は、家庭裁判所の許可を得なければなりません。これは本人の生活基盤を守るための規定です。

「居住用不動産」とは、本人が現在住んでいる物件だけでなく、将来住む可能性がある物件も含まれます。施設に入所していても、以前住んでいた自宅は居住用と判断されることが一般的です。

許可を得ずに売却した場合、その契約は無効となります。非居住用不動産(投資用物件や空き地など)の売却には裁判所の許可は不要ですが、後見人として適正な管理義務は求められます。

許可申立てに必要な書類と準備のコツ

居住用不動産の処分許可を申し立てる際には、以下の書類を準備します。

  • 居住用不動産処分許可申立書:裁判所所定の書式に記入
  • 不動産の登記事項証明書:法務局で取得(1通600円)
  • 不動産の査定書:不動産会社から取得した査定書を添付
  • 売買契約書の案:買主との条件を記載した契約案
  • 固定資産評価証明書:市区町村役場で取得
  • 売却の必要性を説明する資料:施設費用の見積書や本人の財産状況一覧

準備のポイントとして、査定書は複数の不動産会社から取得しておくと、売却価格の妥当性を裁判所に説明しやすくなります。札幌では地下鉄沿線やJR沿線の物件と郊外の物件では価格差が大きいため、適正価格の根拠を明確にすることが大切です。

札幌で成年後見人の不動産売却を進めるポイント

札幌ならではの不動産市場の特徴を踏まえた売却戦略が、スムーズな手続きにつながります。

札幌の不動産市場と売却タイミングの考え方

2026年の札幌の不動産市場は、市街地エリアを中心にマンション価格が堅調に推移しています。道内全体では人口減少が続いていますが、札幌市への人口集中傾向は続いており、地下鉄沿線の中古マンションは比較的安定した需要があります。

一方で、JR沿線の郊外エリアや戸建て物件は価格が下落傾向にあるため、売却を検討されている場合は早めの行動をおすすめします。北海道の公示地価では、札幌市内の住宅地が前年比約3〜5%上昇している一方、道内の地方部では約1〜2%下落しています。

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冬期間の売却活動で気をつけること

札幌の不動産売却では、積雪期(12月〜3月)の対応が大きなポイントです。冬場は内覧希望者が減少し、成約までの期間が夏場に比べて1.5〜2倍かかることもあります。

冬期間の売却活動を成功させるためのポイントをまとめます。

  • 除雪の徹底:内覧前に玄関周りや駐車スペースの除雪を行い、買主が安全にアクセスできるようにする
  • 暖房の事前準備:空き家の場合は内覧日に暖房を入れて室温を上げておく。凍結による水道管破裂にも注意
  • 外観写真は雪のない時期に:販売資料に使う写真は春〜秋の晴天時に撮影したものを用意する
  • 売り出し時期の工夫:可能であれば3月下旬〜5月の雪解け時期に売り出しを開始するのが理想的

成年後見人の選任手続きに数ヶ月かかることを考慮し、冬場に申立てを行い、春先に売却活動を開始するスケジュールが効率的です。

成年後見人の不動産売却にかかる費用の内訳

成年後見人を通じた不動産売却では、通常の売却費用に加えて後見制度に関する費用が発生します。事前に全体像を把握しておきましょう。

後見人選任費用と裁判所への申立費用

  • 申立手数料(収入印紙):800円
  • 登記手数料(収入印紙):2,600円
  • 郵便切手代:約3,000〜5,000円
  • 医師の鑑定費用:約5万〜10万円(鑑定が必要な場合)
  • 診断書作成費用:約3,000〜1万円

申立てを司法書士や弁護士に依頼する場合は、別途10万〜20万円の報酬がかかるのが一般的です。

売却時の仲介手数料・税金・後見人報酬

不動産売却そのものにかかる費用は以下のとおりです。

  • 仲介手数料:売却価格の3%+6万円+消費税(例:1,500万円の物件で約56万円)
  • 印紙税:売買契約書に貼付(1,000万円超〜5,000万円以下で1万円)
  • 登記費用:抵当権抹消や所有権移転に約2万〜5万円
  • 譲渡所得税:利益が出た場合に課税。居住用財産の3,000万円特別控除が適用できるケースもあり

成年後見人が専門職(司法書士・弁護士)の場合、後見人報酬として月額2万〜6万円が発生します。これは家庭裁判所が本人の財産額に応じて決定します。

相続に関連する売却の場合は、エリア別の相場情報も参考にされてください。

よくある失敗例と事前に防ぐ対処法

成年後見人の不動産売却では、制度への理解不足から思わぬトラブルが起きることがあります。代表的な失敗例と対処法をご紹介します。

許可を得ずに売却して無効になるケース

最も多い失敗は、居住用不動産であるにもかかわらず家庭裁判所の許可を得ずに売買契約を締結してしまうケースです。この場合、契約は無効となり、買主との間で深刻なトラブルに発展します。

また、売却価格が市場相場より著しく低い場合、裁判所が許可を出さないこともあります。札幌の市街地エリアでは、近隣の成約事例と比較して80%未満の価格設定は問題視される傾向があります。

対処法として、売却活動を始める前に不動産会社から複数の査定を取り、適正価格を把握しておくことが重要です。

後見人と親族間のトラブルを防ぐ方法

後見人が本人の不動産を売却する際、他の親族から「売却に反対だ」「もっと高く売れるはずだ」と異議が出ることがあります。

このようなトラブルを防ぐための対策をご紹介します。

  • 事前の情報共有:売却の理由と必要性を親族全員に丁寧に説明する
  • 査定書の提示:複数の不動産会社の査定結果を示し、価格の妥当性を証明する
  • 売却益の使途の明確化:施設費用や本人の生活費に充てることを書面で整理する
  • 専門家の意見書:必要に応じて司法書士や弁護士の見解を添える

事情が複雑な場合やワケありの物件については、マンション名別相場などで市場価格を確認しながら進めるとスムーズです。

成年後見人の不動産売却は専門家への相談が安心

成年後見人の不動産売却は法律と不動産の両方の知識が求められるため、専門家と連携して進めることをおすすめします。

不動産会社・司法書士・弁護士の役割分担

それぞれの専門家が担う役割は以下のとおりです。

  • 不動産会社:物件の査定・販売活動・買主との交渉・契約手続きのサポート。後見人制度に詳しい会社を選ぶと手続きが円滑に進む
  • 司法書士:後見開始の申立書類作成・登記手続き・裁判所への許可申立て支援。札幌の司法書士会では成年後見に関する無料相談会を定期的に開催
  • 弁護士:親族間の紛争がある場合の調整・複雑な法律問題への対応。後見人自体を弁護士が務めるケースも増加

当社スタンドエステートでは、成年後見人による不動産売却のご相談を数多く承っております。司法書士・弁護士との連携体制も整えておりますので、札幌で後見人の不動産売却をお考えの方はお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q: 成年後見人の不動産売却にはどのくらいの期間がかかりますか?

A: 後見人選任の申立てから売却完了まで、一般的に6〜12ヶ月が目安です。後見人選任に3〜6ヶ月、売却活動に2〜4ヶ月程度を見込んでおくとよいでしょう。

札幌では冬期間に売却活動が停滞する傾向があるため、積雪期を挟む場合はさらに1〜2ヶ月の余裕を持った計画をおすすめします。

Q: 成年後見人の不動産売却にかかる費用の相場はいくらですか?

A: 後見人選任の申立費用として約10万〜30万円(司法書士等への依頼費用を含む)、売却時の仲介手数料が売却価格の3%+6万円+消費税です。

専門職後見人の場合は月額2万〜6万円の報酬も発生します。1,500万円の物件を売却する場合、諸費用の合計は約80万〜120万円が一つの目安となります。

Q: 成年後見人の不動産売却で失敗しないための注意点は?

A: 特に重要な注意点は3つあります。居住用不動産の場合は必ず家庭裁判所の許可を取得すること、適正な市場価格で売却すること、そして親族間で事前に合意を形成することです。

許可なく売却した契約は無効となりますので、手続きの順序を間違えないよう、後見制度に詳しい不動産会社や司法書士に相談しながら進めてください。

Q: 札幌で成年後見人の不動産売却を相談できる窓口はどこですか?

A: 札幌家庭裁判所、北海道司法書士会、札幌弁護士会で成年後見に関する相談を受け付けています。また、札幌市の地域包括支援センターでも制度の利用案内を行っています。

不動産の売却そのものについては、後見人制度に対応実績のある地域の不動産会社へのご相談がスムーズです。当社でも無料でご相談を承っております。

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