住宅ローンが残っている家を売る方法
「住宅ローンがまだ残っているけれど、家を売ることはできるのだろうか」とお悩みではありませんか。転勤や家族構成の変化、住み替えなど、ローン返済中でも売却を検討するケースは珍しくありません。
結論から言えば、住宅ローンが残っている状態でも家を売ることは可能です。ただし、残債額と売却価格の関係によって取るべき方法が変わります。
この記事では、ローン残債がある家の売却方法から費用シミュレーション、札幌ならではの注意点まで具体的に解説します。
住宅ローンが残っている家は売れるのか
住宅ローンが残っていても、条件を満たせば家を売ることができます。まずは基本的な仕組みを押さえましょう。
売却の基本条件と抵当権の仕組み
住宅ローンを借りると、金融機関は物件に抵当権を設定します。抵当権とは、返済が滞った場合に物件を差し押さえる権利のことです。
家を売るためには、引き渡しまでにこの抵当権を抹消する必要があります。つまり、売却代金や自己資金でローンを完済し、抵当権を外すことが売却の大前提となります。
アンダーローンとオーバーローンの違い
ローン残債と売却見込み額の関係によって、状況は大きく2つに分かれます。
- アンダーローン:売却価格がローン残債を上回る状態。売却代金で完済できるため、比較的スムーズに手続きが進みます
- オーバーローン:売却価格がローン残債を下回る状態。差額を自己資金で補填するか、別の方法を検討する必要があります
国土交通省の調査によると、築10年以内の物件はアンダーローンになりやすく、築15年を超えるとオーバーローンのリスクが高まる傾向があります。札幌の市街地エリアでは、地価が比較的安定しているため、立地条件が良ければ築年数が経っていてもアンダーローンとなるケースもあります。
ローン残債がある家を売る3つの方法
状況に応じて、主に3つの売却方法があります。それぞれの特徴を費用感とともに比較します。
売却代金で一括返済する方法
最も一般的な方法です。売却代金でローンを一括返済し、同時に抵当権を抹消します。
たとえば、ローン残債が1,800万円で売却価格が2,300万円の場合、諸費用を差し引いても完済が可能です。札幌の築20年の戸建てでは、売却価格の中央値が約1,500万〜2,500万円程度となっており、残債額によってはこの方法が使えます。
住み替えローンを活用する方法
オーバーローンの場合、住み替えローン(買い替えローン)を利用する方法があります。残債と新居の購入費用をまとめて新たなローンに組み替える仕組みです。
- メリット:自己資金が少なくても売却と住み替えを同時に進められる
- デメリット:借入額が大きくなるため審査が厳しく、金利も一般的に0.1〜0.3%程度高くなる傾向がある
住み替えローンを取り扱う金融機関は限られており、札幌では北洋銀行・北海道銀行をはじめ、メガバンクや一部のネット銀行が対応しています。事前審査には2〜3週間かかるのが一般的です。
任意売却を活用する方法
ローン返済が困難な状況では、任意売却という選択肢があります。金融機関の同意を得たうえで、競売にかけられる前に市場価格に近い金額で売却する方法です。
競売の場合は市場価格の5〜7割程度での売却となりますが、任意売却なら市場価格の8〜9割での売却が期待できます。ただし、信用情報に影響するため、慎重な判断が求められます。
売却方法の選び方でお悩みの方は、エリア別の相場情報もあわせてご確認ください。まずはお持ちの物件がどの程度の価格で売れるのかを把握することが第一歩です。
売却完了までの手続きフロー
ローンが残っている家を売るには、通常の売却より確認事項が多くなります。時系列で流れを整理します。
残債確認から引き渡しまでの流れ
- ステップ1:ローン残債の確認:金融機関から残高証明書を取り寄せ、正確な残債額を把握します(発行まで約1〜2週間)
- ステップ2:物件の査定依頼:不動産会社に査定を依頼し、売却見込み額を確認します
- ステップ3:売却方法の決定:アンダーローンかオーバーローンかで方針を決めます
- ステップ4:金融機関への事前連絡:売却の意向を伝え、一括返済の手続き方法を確認します
- ステップ5:媒介契約の締結:不動産会社と売却活動の契約を結びます
- ステップ6:売却活動・内覧対応:購入希望者への対応を行います(平均2〜4か月)
- ステップ7:売買契約・決済・引き渡し:売却代金でローンを完済し、抵当権抹消と所有権移転を同日に行います
金融機関との交渉で押さえるポイント
金融機関への連絡は、売却活動を始める前に行うのが鉄則です。一括返済には約1か月前までに申し出が必要な金融機関が多く、繰上返済手数料が5,500〜33,000円程度かかる場合もあります。
決済日には、買主からの売却代金を受領すると同時にローンを完済し、司法書士が抵当権抹消登記を行います。この一連の手続きは同日中に完了させる必要があるため、事前の段取りが重要です。
売却にかかる費用と手取り額の計算方法
手元にいくら残るのかを事前に把握しておくことで、資金計画が立てやすくなります。
仲介手数料・登記費用・税金の内訳
売却時に発生する主な費用は以下のとおりです。
- 仲介手数料:売却価格×3%+6万円+消費税(法定上限)
- 抵当権抹消費用:登録免許税1,000円+司法書士報酬1〜2万円
- 印紙税:売買契約書に貼付。1,000万〜5,000万円の契約で1万円
- 繰上返済手数料:金融機関により0〜33,000円
- 譲渡所得税:利益が出た場合に課税。マイホームは3,000万円の特別控除あり
手取り額のシミュレーション例
札幌の市街地エリアで築18年のマンションを売却するケースで試算してみます。
- 売却価格:2,200万円
- ローン残債:1,400万円
- 仲介手数料:約72.6万円
- 登記費用:約2万円
- 印紙税:1万円
- 繰上返済手数料:約1.1万円
この場合の手取り額は、2,200万円−1,400万円−約76.7万円=約723万円となります。マイホームの売却であれば、多くの場合3,000万円の特別控除により譲渡所得税はかかりません。
ご自身の物件の売却費用について詳しく知りたい方は、エリア別の相場ページで近隣物件の価格帯をご確認いただけます。
札幌でローン残債のある家を売るときの注意点
北海道・札幌ならではの特性が、売却の進め方やタイミングに影響します。
寒冷地・積雪が査定や売却時期に与える影響
札幌は年間降雪量が約600cmに達する積雪寒冷地です。12月〜3月は内覧希望者が減少し、売却活動が停滞しやすくなります。
一方で、雪解け後の4〜6月は購入需要が高まるため、この時期に売り出せるよう冬の間に準備を進めておくのが効果的です。道内では転勤シーズンの3〜4月に合わせた購入も多く見られます。
また、積雪による外壁や屋根の劣化が査定に影響することもあります。売却前に外壁のひび割れや雨漏りの有無を確認しておくと、査定額の低下を防ぎやすくなります。
札幌の地価動向と売り時の見極め方
国土交通省の地価公示(2026年)によると、札幌の住宅地は前年比で約2〜4%の上昇が続いています。地下鉄沿線やJR沿線の駅徒歩圏内は特に需要が高く、資産価値が維持されやすい傾向があります。
ただし、郊外エリアでは横ばいから微減の地域もあるため、エリアによって売り時の判断が異なります。金利動向にも注目が必要で、住宅ローン金利が上昇すると買い手の購買力が低下し、売却価格に影響する可能性があります。
よくある失敗例と対処法
ローン残債がある家の売却では、事前の準備不足がトラブルの原因になることがあります。
残債額を把握せず売り出してしまうケース
「だいたいこのくらい残っているはず」という曖昧な認識のまま売却活動を始めてしまい、決済直前に残債が売却額を上回っていたことが判明するケースがあります。
対処法としては、売却を検討し始めた時点で金融機関から残高証明書を取り寄せることです。ネットバンキングで確認できる場合もありますが、正式な残高証明書を取得しておくと安心です。
売却タイミングを逃して損をするケース
「もう少し待てば高く売れるかもしれない」と判断を先延ばしにした結果、ローンの利息負担が増えたり、物件の経年劣化で査定額が下がったりするケースも見られます。
札幌では、前述のとおり4〜6月の売却需要が高く、この時期を逃すと成約までの期間が長引く傾向があります。住宅ローンの利息は毎月発生するため、売却の決断が遅れるほどトータルコストは増加します。
売却のタイミングや進め方について不安がある方は、無料AI査定で現在の物件価格を確認するところから始めてみてください。
まとめ|ローンが残っていても計画的に売却は進められる
住宅ローンが残っている家でも、残債額の把握・売却方法の選定・適切なタイミングの見極めを行えば、計画的に売却を進めることができます。
売却成功のために今すぐできること
- 金融機関に連絡し、正確な残債額を確認する
- 不動産会社に査定を依頼し、売却見込み額を把握する
- アンダーローンかオーバーローンかを判定し、売却方法を決める
- 札幌の売却需要が高まる春先に向けて、早めに準備を始める
当社では、札幌・道内の不動産売却に関するご相談を承っております。ローン残債がある場合の売却プランもご提案可能です。
よくある質問
Q: 住宅ローンが残っている家を売るのにどれくらいの期間がかかりますか
A: 一般的に、査定依頼から引き渡しまで3〜6か月が目安です。札幌では冬場(12〜3月)に内覧が減少するため、売り出し時期によってはさらに期間がかかることがあります。
春先の4〜6月は購入需要が高まるため、この時期に合わせて売却活動を始めると成約までの期間を短縮しやすくなります。
Q: ローン残債がある家の売却にかかる費用の目安はいくらですか
A: 主な費用は仲介手数料(売却価格×3%+6万円+消費税)、抵当権抹消の登記費用(約1〜2万円)、印紙税(1万円前後)、繰上返済手数料(0〜約3.3万円)です。
売却価格が2,000万円の場合、諸費用の合計は約70〜80万円程度が目安となります。譲渡益が出た場合は税金がかかりますが、マイホームなら3,000万円の特別控除が適用される場合が多いです。
Q: オーバーローンの場合でも家を売ることはできますか
A: はい、オーバーローンでも売却は可能です。差額を自己資金で補填する方法のほか、住み替えローンや任意売却といった選択肢があります。
住み替えローンは残債と新居の購入費用をまとめて借り換える方法で、自己資金が少ない場合にも対応できます。状況に応じて最適な方法を不動産会社と相談されることをおすすめします。
Q: 札幌で住宅ローンが残っている家を売るにはまず何をすべきですか
A: まずは金融機関で正確なローン残債額を確認することが第一歩です。残高証明書の取得には1〜2週間かかる場合があるため、早めに手配しましょう。
並行して不動産会社に査定を依頼し、売却見込み額とローン残債を比較することで、最適な売却方法が見えてきます。当社でも無料査定を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。
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