査定額と実際の成約価格はなぜズレるのか
不動産会社から提示された査定額を信じて売り出したのに、実際に成約した価格は査定額より200万円、300万円と低くなってしまった。札幌で売却を経験した方から、こうした声を聞くことがあります。査定額はあくまで「売れるであろう価格の目安」であり、実際の成約価格とは別物だという点を理解しておく必要があります。
この記事では、査定額と成約価格の差がどのような理由で生まれるのか、その差を小さくするために売主側でできることは何かを、札幌市内の実例を交えながら説明します。
査定額と成約価格はそもそも意味が違う
査定額は、不動産会社が過去の成約事例や市場動向から算出した「売れる可能性が高い価格帯」の目安です。一方の成約価格は、実際に買主が現れて合意した金額であり、交渉や市場のタイミングによって左右されます。
- 査定額:統計的な根拠に基づく予測値。おおむね3か月〜半年で売れる価格帯として提示されます。
- 売り出し価格:査定額に売主の希望を加味して決める価格。査定額の1〜1.1倍程度に設定されることが多いです。
- 成約価格:買主との交渉を経て最終的に合意した金額。売り出し価格から3〜5%程度値引かれるケースが一般的です。
この3つの価格の違いを理解しないまま「査定額どおりに売れる」と思い込んでしまうと、実際の成約価格との差にショックを受けやすくなります。札幌市内の統計を見ても、査定額100万円あたり数万円単位の差が生じることは珍しくありません。
査定額より成約価格が下がる主な理由
札幌市内の取引を見ても、査定額と成約価格に差が生まれる理由はいくつかのパターンに分けられます。
- 売り出し期間の長期化:3か月を超えて売れ残ると、値下げ交渉が入りやすくなります。
- 市場動向の変化:査定時点から半年、1年と経つうちに周辺の相場が下落することがあります。
- 物件固有の減点要素:内覧時に見つかった設備の不具合や、隣地との境界の未確定などが値引き交渉の材料になります。
- 住宅ローン特約による解除:一度成約しても融資が通らず、再度値下げして売り出し直すケースもあります。
特に築25年を超える戸建てでは、内覧時の印象で50万円〜100万円単位の値引き交渉が入ることが少なくありません。札幌市内のある成約事例では、査定額2,800万円に対して成約価格が2,650万円と、150万円の差が出たケースもあります。
逆に査定額より高く成約するケースもある
差が出るのは下振れだけではありません。札幌市中央区や地下鉄沿線の駅近エリアなど人気の高いエリアでは、複数の買主が同時に検討し、査定額を上回る価格で成約することもあります。
- 需要が供給を上回るエリア:地下鉄沿線や人気の学区では、査定額の105〜110%程度で成約する例もあります。
- リフォーム・リノベーション済み物件:内装が整っていると、査定額の根拠となった事例より高い評価を受けやすくなります。
- 売り出しタイミング:転勤の多い春先(1〜3月)は需要が増え、価格交渉が入りにくい傾向があります。
ただし、こうした上振れは市場環境に左右される部分が大きく、狙って再現できるものではない点には注意が必要です。実際に、地下鉄沿線のあるマンションでは、査定額2,400万円に対し成約価格2,520万円と、120万円上振れた例もあります。
差を小さくするために売主ができること
査定額と成約価格の差をゼロにすることはできませんが、差を小さくするための工夫はあります。
- 複数社の査定額を比較する:1社だけでなく2〜3社程度に依頼し、査定額の根拠と幅を確認します。
- 売り出し価格を査定額に近づける:希望額を大きく上乗せしすぎると、売却期間が延びて結果的に値引き幅が大きくなります。
- 内覧前の整備:水回りの清掃や不用品の片付けなど、数万円程度の手間で印象が変わり、値引き交渉を減らせることがあります。
- 売却期間に余裕を持つ:目安として半年(6か月)程度の余裕があると、焦った値下げを避けやすくなります。
札幌市内の成約データを見ると、売り出しから3か月以内に成約した物件は、査定額との差が5%未満に収まっている割合が高い傾向にあります。逆に売却期間が1年を超えると、査定額との差が10%以上に広がる件数も増えてきます。
査定額の精度を左右するエリアの違い
査定額と成約価格の差の大きさは、エリアの取引の活発さによっても変わります。
- 市街地エリア:地下鉄沿線やJR沿線の駅近は成約事例が多く、査定額の精度が高くなりやすいです。
- 郊外エリア:南区や江別市、北広島市など道内の郊外は事例が少なく、査定額の幅が広くなりがちです。
- 市街化調整区域に近い土地:用途が限定されるため、査定額どおりに買主が見つかるまで時間がかかることがあります。
エリアごとの成約価格帯の目安はエリア別査定価格の一覧で公開しています。ご自身のエリアの傾向を事前に把握しておくと、査定額との差についても心構えができます。当社の無料AI査定では、直近の成約事例をもとにした概算額を60秒程度で確認いただけます。
売却活動全体の中で価格の差をどう捉えるか
査定額と成約価格の差は、売却の失敗ではなく市場との対話の結果であると捉えることが大切です。
- 値下げのタイミング:反響が少ない場合、3か月を目安に5%程度の見直しを検討します。
- 担当者との情報共有:内覧の反応や競合物件の動きを共有し、価格戦略を都度調整します。
- 諸費用の試算:仲介手数料や登記費用も含めた手取り額で最終的な判断をすることが重要です。
売却の流れや諸費用の詳細は売却の流れと費用・税金のページで解説していますので、あわせてご確認ください。
よくある質問
Q: 査定額どおりに売れないのは普通のことですか。
A: 一般的に、査定額と成約価格には数%程度の差が出ることが多く、珍しいことではありません。
差の大きさは物件の状態や市場動向によって変わります。
Q: 査定額より高く売り出しても良いですか。
A: 希望額を上乗せすること自体は可能ですが、相場より大きく高いと売却期間が延びやすくなります。
結果的に値下げ幅が大きくなる場合もあるため注意が必要です。
Q: 成約価格が査定額を下回った場合、査定した会社に責任がありますか。
A: 査定額はあくまで目安であり、成約価格を保証するものではないため、一般的に責任を問える性質のものではありません。
気になる場合は査定時に根拠をよく確認しておくことをおすすめします。
Q: 複数社に査定を依頼すると差が大きくて混乱しませんか。
A: 各社の根拠を比較することで、逆に相場観がつかみやすくなることが多いです。
極端に高い査定額を提示する会社には根拠を確認することをおすすめします。
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