抵当権抹消登記の費用と手続き
住宅ローンを完済して不動産を売却する際、「抵当権抹消の手続きが必要です」と言われ、何をどこまで準備すればいいのか分からず戸惑う方は少なくありません。費用の内訳や手続きの流れを事前に知っておくと、決済当日も落ち着いて対応できます。
この記事では、抵当権抹消登記が必要な理由、登録免許税の金額、司法書士報酬を含めた費用の目安、抵当権抹消の手続きの流れ、そして売却時のタイミングまでを説明します。
抵当権抹消登記とは何か、なぜ必要か
住宅ローンを組む際、金融機関は担保として不動産に「抵当権」を設定します。
- 住宅ローンを完済しても、抵当権は自動的には消えず、法務局で抵当権抹消の登記をしないと登記簿に残ったままになります
- 不動産を売却する際は、原則として引渡しまでに抵当権を抹消し、買主に抵当権のない状態で引き渡す必要があります
- 抵当権が残ったままだと、買主が住宅ローンを組む際の担保設定にも支障が出ます
抵当権抹消の手続きは、売却の決済と密接に関わる重要な工程のひとつです。
抵当権抹消の登録免許税
抵当権抹消登記にかかる登録免許税の金額は、次のように定められています。
- 登録免許税は不動産1個につき1,000円です
- 土地と建物は別々の不動産として数えるため、戸建てで土地1筆・建物1棟なら合計2,000円になります
- マンションの場合は敷地権の設定状況によって不動産の数え方が変わります
抵当権抹消の登録免許税は売買金額の大小にかかわらず一律であり、この点が譲渡所得税など他の税金と大きく異なります。
抵当権抹消にかかる費用の内訳
抵当権抹消の手続きにかかる費用を整理すると、次のとおりです。
- 登録免許税(不動産1個につき1,000円)
- 司法書士報酬(相場としておおむね1万円〜2万円程度が目安です)
- 金融機関から必要書類を受け取る際の郵送費や事務手数料
たとえば札幌市内、土地面積165㎡(約50坪)・建物1棟の戸建てで抵当権を抹消する場合、登録免許税2,000円と司法書士報酬1万円〜2万円程度を合わせて、合計の目安は2万円台前半から後半程度になることが多いです。
抵当権抹消の手続きの流れ
実際の抵当権抹消の手続きは、おおむね次の流れで進みます。
- 手順1:住宅ローンを完済すると、金融機関から抵当権解除証書・登記済証(または登記識別情報)・委任状などの必要書類一式が交付されます
- 手順2:司法書士に依頼し、抹消登記の申請書類を作成してもらいます
- 手順3:売却の場合は、決済(引渡し)当日に買主の所有権移転登記と同時に、抵当権抹消登記も法務局へ申請するのが一般的な手続きです
- 手順4:後日、法務局から登記完了証が発行され、登記簿から抵当権の記載が消えます
住宅ローンの返済期間は30年、35年といった長期に及ぶことも多く、完済のタイミングと売却のタイミングが重ならない場合は、事前に金融機関との調整が必要になります。
札幌で抵当権抹消をするときの注意点
札幌市内で抵当権抹消の手続きを進める際に意識しておきたい点です。
- 決済日までに完済が間に合うよう、金融機関への完済手続きは余裕をもって進めます
- 住み替えなどで買換えローンを利用する場合、抵当権抹消と新規設定を同日に行う「同時決済」が一般的です
- 札幌市内でも地下鉄沿線や市街地エリアの取引は、司法書士・金融機関・買主側との決済日程の調整が必要になるため、早めのスケジュール確認が安心です
なお、相続によって取得した不動産の相続登記は2024年4月から義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記する必要があります。抵当権抹消登記とは別の手続きですが、道内・北海道内の相続不動産を売却する場合はあわせて確認しておくと安心です。抵当権抹消を含めた売却全体の費用の流れは売却の流れと費用・税金をご覧ください。なお、税金や登記の取り扱いは個々の状況によって判断が分かれることがあります。最終的な判断は税務署または税理士にご確認ください。当社は税理士ではありません。
抵当権抹消の費用を含めた売却時の資金計画
抵当権抹消の費用は数万円程度と、仲介手数料などに比べて金額自体は小さいものですが、決済当日にまとめて発生する費用のひとつとして資金計画に組み込んでおく必要があります。
- たとえば土地1筆・建物1棟の戸建てなら登録免許税2,000円+司法書士報酬2万円程度で合計2.2万円前後が目安です
- マンションで敷地権が複数ある場合は、登録免許税が3,000円〜4,000円程度になることもあります
- 抵当権抹消費用は、仲介手数料や印紙税と同じく引渡し(決済)時にまとめて精算するのが一般的です
物件の価格帯がまだ分からない場合は、まず無料AI査定でおおよその金額を把握し、そこから諸費用全体の資金計画を立てることをおすすめします。所有期間が20年、30年と長い物件でも、抵当権抹消の登録免許税自体は不動産1個につき1,000円のまま変わりません。
よくある質問
Q: 抵当権抹消の手続きは自分でもできますか。
A: 書類が揃っていれば自分で法務局へ申請することも制度上は可能ですが、売却時は買主の所有権移転登記と同時に行うことが多く、実務上は司法書士に依頼するのが一般的です。
決済当日の段取りを考えると司法書士への依頼が安心です。
Q: 抵当権抹消の費用はどのくらいかかりますか。
A: 登録免許税は不動産1個につき1,000円と定められています。
これに司法書士報酬が加わり、戸建てであれば合計で2万円前後が目安になることが多いです。
Q: 抵当権抹消の手続きはいつまでにすればいいですか。
A: 売却の場合は、原則として決済(引渡し)当日に買主の所有権移転登記と同時に申請します。
住宅ローンの完済が決済日に間に合うよう、事前に金融機関と日程を調整しておくことが大切です。
Q: 住宅ローンが残っていても売却はできますか。
A: 売却代金でローンを完済できれば問題なく手続きを進められます。
売却代金だけで完済できない場合(オーバーローン)は、自己資金の準備や金融機関との相談が必要になるため、早めに不動産会社へ相談することをおすすめします。
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