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共有名義の不動産売却に必要な同意とは

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コラム2026年9月10日 更新

共有名義の不動産売却に必要な同意とは

「親から相続した不動産が兄弟の共有名義になっていて、売却したいのに話がまとまらない」。札幌でもこのようなご相談が増えています。

共有名義の不動産を売却するには、原則として共有者全員の同意が求められます。一人でも反対すれば売却手続きは進みません。

この記事では、同意が必要な法的根拠から、同意が得られないときの対処法、札幌の地価動向を踏まえた売却のポイントまで具体的に解説します。

共有名義の不動産売却に同意が必要な理由

共有名義の不動産を売却する際、なぜ全員の同意が求められるのかを法的な観点から整理します。

民法上の共有持分と処分行為の関係

民法第251条では、共有物の「変更行為(処分行為)」には共有者全員の同意が必要と定められています。不動産の売却は処分行為に該当するため、持分割合にかかわらず全員の合意がなければ契約を結ぶことができません。

たとえば、3人で持分3分の1ずつ共有している場合でも、2人が賛成・1人が反対であれば売却は成立しません。多数決では決められない点が共有名義の大きな特徴です。

同意なしで売却するとどうなるか

共有者の同意を得ずに不動産全体を売却した場合、その契約は無権限処分として無効になる可能性があります。買主とのトラブルに発展し、損害賠償を請求されるケースもあります。

また、登記手続きの段階で共有者全員の実印と印鑑証明書が求められるため、実務上も同意なしでは手続きが完了しません。法的リスクと実務面の両方で、同意の取得は避けて通れないステップです。

全員の同意を得て売却する手続きフロー

共有者全員の同意を取り付けたうえで売却を進める場合の具体的な流れをご紹介します。

売却までの5ステップと必要書類

共有名義の不動産売却は、一般的に以下の5つのステップで進みます。

  • ステップ1:共有者全員の意思確認:売却の方針・希望価格・時期について話し合い、書面で合意内容を記録します
  • ステップ2:不動産会社への査定依頼:複数社に査定を依頼し、適正価格を把握します。札幌では3〜5社への一括査定が一般的です
  • ステップ3:媒介契約の締結:共有者全員が署名・捺印のうえ、不動産会社と媒介契約を結びます
  • ステップ4:売買契約の締結:買主が見つかったら、共有者全員が売主として契約書に署名します
  • ステップ5:決済・引き渡し:残金の受領と所有権移転登記を行い、売却代金を持分割合に応じて分配します

必要書類としては、登記済権利証(または登記識別情報)、実印、印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)、本人確認書類、固定資産税納税通知書などが共有者ごとに必要です。

共有者が遠方・高齢の場合の対応策

共有者が道外に住んでいる場合は、委任状を作成して代理人を立てる方法が有効です。委任状には実印の押印と印鑑証明書の添付が求められます。

高齢で判断能力に不安がある共有者がいる場合は、成年後見制度の利用が必要になることがあります。後見人の選任には家庭裁判所への申立てから2〜4ヶ月ほどかかるため、早めの準備が重要です。

売却の方法や費用について詳しく知りたい方は、売却の方法と費用の詳細もあわせてご覧ください。

同意が得られないときの4つの売却方法

話し合いを尽くしても共有者の同意が得られない場合、以下の4つの方法で売却を進めることが可能です。

持分のみの売却と共有物分割請求

  • 自分の持分だけを売却する:共有者の同意がなくても、自分の持分のみであれば第三者に売却できます。ただし、持分だけの購入者は限られるため、市場価格の5〜7割程度まで下がるのが一般的です
  • 共有物分割請求訴訟を起こす:裁判所に共有物の分割を求める方法です。現物分割・代償分割・競売の3つの分割方法があり、裁判所が状況に応じて決定します。訴訟費用は20〜50万円程度、期間は6ヶ月〜1年ほどかかります

裁判外の調停・交渉で解決するケース

  • 民事調停を利用する:裁判所の調停委員が間に入り、話し合いで解決を目指します。費用は数千円〜数万円と訴訟より低コストで、期間は3〜6ヶ月が目安です
  • 弁護士を介した交渉:弁護士が代理人として他の共有者と交渉する方法です。弁護士費用は着手金10〜30万円、成功報酬が売却額の3〜5%程度が相場となります

共有名義で売却が難しい物件については、ワケあり物件の売却についてで詳しく解説しています。

札幌で共有名義の不動産を売却する際の注意点

札幌特有の環境や市場動向を踏まえて、共有名義の売却で注意すべきポイントを解説します。

寒冷地・積雪が査定額に与える影響

北海道の中心都市である札幌は、年間降雪量が約600cmに達する積雪寒冷地です。冬季は物件の外観確認が困難になるため、売却活動は4月〜10月に集中する傾向があります。

査定においても、屋根の雪下ろし費用(年間5〜15万円)、融雪設備の有無、断熱性能の良し悪しが価格に影響します。特に築30年以上の戸建てでは、断熱リフォームの有無で査定額に200〜400万円の差がつくこともあります。

札幌の地価動向と売却タイミング

札幌の住宅地の公示地価は2026年も上昇傾向が続いており、地下鉄沿線やJR沿線の市街地エリアでは前年比3〜5%の上昇が見られます。

一方、道内の郊外エリアでは横ばいまたは下落傾向にあり、立地によって市場状況が大きく異なります。共有者間の同意取得に時間がかかっている間に地価が変動するリスクもあるため、早めの行動が大切です。

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共有名義の売却にかかる費用と税金

共有名義の不動産を売却する際にかかる主な費用と税金について、札幌の相場水準で解説します。

仲介手数料・登記費用・譲渡所得税の目安

札幌で共有名義の不動産を売却する場合、以下のような費用が発生します。

  • 仲介手数料:売却価格の3%+6万円+消費税が上限です。たとえば2,000万円で売却した場合、約72万6,000円となります
  • 登記費用:所有権移転登記にかかる司法書士報酬は3〜5万円程度、抵当権抹消がある場合はさらに1〜2万円が加算されます
  • 印紙税:売買契約書に貼付する収入印紙代として、1,000万円超〜5,000万円以下の契約で1万円が必要です
  • 譲渡所得税:売却益が出た場合に課税されます。所有期間5年超の長期譲渡で約20.315%、5年以下の短期譲渡で約39.63%の税率が一般的に適用されます

3,000万円特別控除を共有者ごとに使う方法

マイホームを売却して利益が出た場合、最大3,000万円の特別控除を受けられる制度があります。共有名義の場合、この控除は共有者それぞれが利用できる点が大きなメリットです。

たとえば、夫婦2人の共有名義で4,000万円の譲渡益が出た場合、それぞれ2,000万円ずつの譲渡益に対して3,000万円控除が適用されるため、結果として譲渡所得税がゼロになる可能性があります。

ただし、この控除の適用には「居住用財産であること」「売却年の前年・前々年に同控除を受けていないこと」などの要件があります。詳しくは税理士にご相談ください。費用の詳細については売却費用の詳しい解説もご参照ください。

よくある失敗例と事前に防ぐポイント

共有名義の不動産売却では、事前の準備不足が原因でトラブルになるケースが少なくありません。代表的な失敗例と対策をご紹介します。

共有者間の感情対立で売却が長期化するケース

相続した実家の売却では、「思い入れのある家を手放したくない」という共有者と「早く現金化したい」という共有者の間で意見が対立しやすくなります。札幌でも、兄弟間の感情的な対立が原因で売却まで2〜3年かかったという事例があります。

対策としては、売却の目的と代金の分配方法を最初に書面で明確にしておくことが重要です。第三者である不動産会社や弁護士を交えて話し合うと、冷静な判断がしやすくなります。

相続登記の未了が売却を止める落とし穴

2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しなければ10万円以下の過料が科される可能性があります。しかし、義務化以前に相続した不動産では、登記が被相続人(亡くなった方)の名義のままになっているケースが多くあります。

相続登記が未了のままでは売却手続きを進められません。登記の手続きには戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成が必要で、1〜3ヶ月程度の期間がかかります。売却を検討し始めた段階で、登記の状況を確認しておくことをおすすめします。

相続物件の売却について詳しくは、相続物件の売却についてをご覧ください。

よくある質問

Q: 共有名義の不動産売却で全員の同意を得るまでの期間はどのくらいですか?

A: 共有者が近隣に住んでいて関係が良好な場合は、1〜3ヶ月程度で同意がまとまるのが一般的です。

ただし、共有者が遠方に住んでいたり、高齢で判断能力に不安がある場合は半年以上かかることもあります。早めに話し合いの場を設けることが大切です。

Q: 共有者の一人が売却に反対している場合どうすればよいですか?

A: 主に3つの選択肢があります。自分の持分のみを売却する方法、裁判所に共有物分割請求を行う方法、そして民事調停や弁護士を介した交渉で解決を図る方法です。

持分売却は市場価格の5〜7割程度に下がるデメリットがあるため、まずは交渉や調停で全体売却を目指すことをおすすめします。

Q: 共有名義の売却で費用はどのくらいかかりますか?

A: 札幌の相場では、仲介手数料が売却価格の3%+6万円+消費税、司法書士への登記費用が3〜5万円、印紙税が1万円前後です。

譲渡益が出た場合は譲渡所得税も発生しますが、居住用財産であれば3,000万円の特別控除が共有者ごとに適用できる場合があります。

Q: 札幌で共有名義の不動産売却を相談できる窓口はありますか?

A: 不動産会社への売却相談に加え、登記手続きは司法書士、法的トラブルは弁護士に相談するのが一般的です。

当社でも共有名義の不動産に関する無料相談を承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。

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