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リースバックの仕組みと注意点

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売却の進め方2026年9月6日 更新

リースバックの仕組みと注意点

「家を売っても、そのまま住み続けられます」という広告を目にして、リースバックに関心を持つ方が増えています。老後の資金づくり、住宅ローンの返済負担の軽減、相続で分けやすい形にしておきたいなど、札幌でもご相談の理由はさまざまです。

ただしリースバックは、売却と賃貸借という2つの契約を同時に結ぶ取引で、条件の読み方を誤ると「数年後に退去を求められた」「家賃が思ったより高かった」ということになりかねません。この記事では、リースバックの仕組みを分解したうえで、契約前に必ず確認しておきたい注意点を整理します。

リースバックの仕組みを分解する

リースバックは、自宅を不動産会社や投資家に売却し、その買主と賃貸借契約を結んで、同じ家に賃借人として住み続ける仕組みです。所有者は変わりますが、住まいは変わりません。

  • 売買契約:自宅を買主に売却し、代金を一括で受け取ります。住宅ローンが残っている場合は、この代金で完済して抵当権を抹消するのが一般的です。
  • 賃貸借契約:同じ日に買主を貸主として賃貸借契約を結び、毎月家賃を支払って住み続けます。
  • 買戻し(再売買)の予約:将来買い戻せる権利を特約として付ける場合があります。付いていない契約もあるため、内容の確認が欠かせません。
  • 費用負担の切り替わり:固定資産税・都市計画税、建物の火災保険料、大規模な修繕費は原則として新しい所有者の負担になります。一方で日常の小修繕は賃借人負担とする契約が多く見られます。

つまり、まとまった資金を手にしつつ引っ越しをしなくてよい代わりに、毎月の家賃と、所有者としての権利を手放すという交換になります。この仕組みを理解したうえで、次に挙げる金額の条件を確認していきます。

売却価格は市場価格より低くなるのが一般的

リースバックの売却価格は、通常の売却で見込める市場価格より低めに設定されるのが一般的です。目安としては市場価格の7割前後で、条件によっておおむね6〜8割の幅に収まることが多くなります。

  • 買主が投資として購入するため:買主は家賃収入を目的に購入します。賃貸中の物件は空室の物件より流動性が下がるため、その分価格が抑えられます。
  • 再販や賃貸募集のリスク分:賃借人が退去した後に売却や次の募集をする手間とリスクが価格に織り込まれます。
  • 諸経費の分:不動産取得税(住宅の場合は固定資産税評価額×3%が原則)、登記費用、再販時の仲介手数料などが差し引かれます。
  • 住宅ローン残債との関係:市場価格2,500万円の自宅でも、リースバックでの提示は1,700万〜1,800万円程度になることがあります。残債が2,000万円あると完済できず、取引が成立しません。

まずはご自宅の市場価格を把握することが出発点になります。電話なしで概算を確認できる無料AI査定ツールや、区ごとの水準がわかるエリア別の相場一覧で目安を持ってから、提示条件と比べてみてください。

家賃は周辺相場より高くなることがある

リースバックでもっとも見落とされやすいのが家賃です。近隣の賃貸相場から決まると思われがちですが、実際には売却価格に対する利回りから逆算されることが多く、結果として周辺相場を上回る場合があります。

  • 利回りから逆算する:年8〜10%程度の利回りを想定するのが一般的です。売却価格1,500万円で利回り9%なら、年間家賃135万円、月額はおよそ11万2,000円になります。
  • 周辺相場との差:同じ広さの札幌市内の賃貸戸建が月7万〜9万円の水準であれば、月2万〜4万円ほど高い計算になります。年間で24万〜48万円、10年で240万〜480万円の差です。
  • 売却価格を上げると家賃も上がる:高く売れば手取りは増えますが、その分家賃も上がります。売却価格1,800万円・利回り9%なら月額はおよそ13万5,000円です。
  • 更新時の改定:契約更新のタイミングで家賃改定の協議が入る条項もあります。何年ごとに、どのような基準で見直すのかを確認しておきましょう。

受け取る代金と支払う家賃の両方を、10年・15年といった単位で試算しておくことをおすすめします。手取りが1,500万円でも、月11万2,000円の家賃を10年払えば約1,344万円になり、資金の実質的な効果は想定より小さくなることがあります。

契約形態の注意点は普通借家か定期借家か

住み続けられる期間を左右するのが賃貸借契約の種類です。ここがリースバック最大の注意点と言ってよい部分になります。

  • 普通借家契約:期間は2年程度でも、借主から更新を希望すれば原則として更新されます。貸主が更新を拒むには正当な事由が必要で、住み続けたい方にとっては安心度が高い形です。
  • 定期借家契約:あらかじめ定めた期間(2年・3年・5年など)が満了すると契約が終了し、更新はありません。再契約に応じるかどうかは貸主の判断となるため、期間満了で退去を求められる場合があります。
  • 契約書での確認方法:定期借家契約では、契約書とは別に「更新がなく期間満了で終了する」旨の事前説明書面が交付されます。この書面の有無で判別できます。
  • 長く住みたい場合:普通借家契約にできないか、難しければ再契約の条件を書面で明確にできないかを交渉することが現実的な対応になります。

「ずっと住めます」という口頭の説明があっても、契約書が定期借家であれば法的にはその期間で終了します。契約書の記載がすべてですので、必ず現物で確認してください。

買戻し(再売買)の条件も書面で確認する

将来的に買い戻したいと考えている場合は、その条件を契約時点で確定させておく必要があります。あとから交渉できるとは限りません。

  • 買戻し価格:売却価格と同額とは限らず、売却価格の1.1〜1.3倍程度に設定されることが一般的です。1,500万円で売った自宅を1,800万円で買い戻す、といった形になります。
  • 行使できる期間:「賃貸借契約の期間内」「5年以内」など期限が定められることがあります。期限を過ぎると権利が消滅します。
  • 権利の保全:口約束ではなく、売買予約や再売買の予約として書面に残し、必要に応じて仮登記まで行うかどうかを検討します。
  • 買い戻すための資金:買い戻すときに住宅ローンを組めるかどうかは年齢や収入で変わります。60代以降では借入期間が短くなり、返済額が大きくなる点にも注意が必要です。

また、リースバックには売却に伴う税金の問題も関わります。居住用財産の3,000万円特別控除が使えるかどうか、譲渡所得が出た場合の税率が所有5年以下で39.63%、5年超で20.315%のどちらになるかなどは、個別の事情で変わります。所有期間は売った年の1月1日時点で判定されますので、判断に迷う場合は税務署や税理士など専門家に確認してください。

札幌でリースバックを検討するときのポイント

北海道では、リースバックを検討する際に本州とは少し違う観点が必要になります。冬の負担と、賃貸需要の地域差です。

  • 暖房と除雪の費用は誰が負担するか:札幌の戸建では冬期の暖房費が月3万〜5万円になることもあります。除雪を委託すると1シーズンで10万〜20万円程度です。家賃とは別にこれらが必要な点を試算に入れてください。
  • ロードヒーティングや融雪槽の修繕:故障時の修理費は数十万円規模になります。所有者負担か賃借人負担かを契約書で明確にしておきましょう。
  • 賃貸需要のある立地かどうか:地下鉄沿線やJR沿線の駅に近い市街地エリアは買主が付きやすく、条件も比較的良くなります。郊外や交通の便が限られる地域では、そもそも取扱いを断られることがあります。
  • 市街化調整区域や再建築不可:買主が資産価値を評価しづらいため、リースバックの対象外とされる場合があります。

売却して住み替えたほうが結果的に負担が軽くなるケースもあります。売却の全体像や費用については売却の流れと費用・税金のページもあわせてご覧ください。仕組みだけを見て決めず、複数の選択肢を並べて比べることが、後悔しないための一番の注意点です。

よくある質問

Q: リースバックの仕組みを簡単に教えてください

A: 自宅を不動産会社や投資家に売却し、その買主と賃貸借契約を結んで、賃借人として同じ家に住み続ける仕組みです。売買契約と賃貸借契約を同時に結びます。

まとまった資金を受け取れる一方、毎月の家賃が発生し、所有者としての権利は手放すことになります。

Q: 売却価格は普通に売る場合と比べてどのくらいですか

A: 一般的には市場価格の7割前後が目安で、条件によっておおむね6〜8割の範囲に収まることが多いです。

買主は賃貸中の物件として購入するため流動性が下がり、不動産取得税や再販時の費用も見込む必要があるためです。

Q: 家賃はどう決まりますか

A: 多くの場合、周辺の賃貸相場ではなく、売却価格に対する年8〜10%程度の利回りから逆算して決まります。売却価格1,500万円で利回り9%なら月額はおよそ11万2,000円です。

そのため周辺相場より高くなることがあります。近隣の賃貸募集条件と必ず比べてください。

Q: 一番気をつけるべき注意点は何ですか

A: 賃貸借契約が普通借家か定期借家かの確認です。定期借家契約の場合は期間満了で契約が終了し、再契約に応じるかは貸主の判断となるため、退去を求められる場合があります。

あわせて買戻しの価格と期限を書面で確認しておくことが大切です。税金の取扱いを含め、最終的な判断は税理士など専門家にご相談ください。

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